眼鏡をかけた中年の日本人男性が、目を閉じて優しく微笑み、片手に湯気の立つコーヒーを持ち、もう片方の手でノートに書き込みながら、観葉植物と暖かい日差しが差し込む柔らかな照明の部屋のソファに心地よく座っている。
焦ることなく、無理することもなく。ただ、今の自分といっしょに。そんなふうにくつろげる「今」に、ありがとう。

“くつろぎ”こそ、僕にとって

最強の「リベンジ」だった。

最近ふと思ったこと──
僕が今、こうして“くつろぐ”ことを大事にしてるのって
もしかしたら「小さなリベンジ」なんかもしれへんなって。

20代後半──
婿養子として都会からなじみのない田舎に移り住み
「郷に入っては郷に従え」を胸に
周りの言うことをちゃんと聞いて、マジメに働く。

子どもも二人になったし、もう今までの自分じゃいられない。
そうやってずっと自分に言い聞かせてた。

スーツを着た若い日本人男性が、田園風景を望む窓辺にビジネスバッグを持って立っている。鉢植えの植物が置かれた質素な田舎の家で、仕事の準備をしているかのように、真剣な表情で、少し緊張している。
あの頃は、「こうあるべき」に縛られて、必死に生きてた。…そんな僕が、今の僕を見たらどう思うだろう…

何十年もそんなふうに過ごして、右往左往して。
今また、59歳にして「無職」となってしまった僕──

本当なら、焦りまくってるはずのこの時間。
なのに、なぜか……肩の力が抜けてる自分がいる。

「次こそ、誰かを見返してやろう」とか
「もっと成果を出して、今度こそ勝ち組になろう」
そんな感じのリベンジじゃ、ない。

あの頃、無理してた自分に会えたら、こう言いたい。

「そんなに頑張らんでも、なんとかなるもんやで。」
「周りはともかく、今の僕は、まぁ…とりあえず元氣で生きてるわ。」って。

もちろん、まだ仕事は決まってへん。
収入も家族に頼りっぱなし。

そんな状況だから、
未来はもちろん、今日明日も不安でいっぱい。

でも、「早く何とかしないと!」って焦りよりも、
「今の自分を、そのまま受け止める時間」
周りや、なんか見えない力が与えてくれてる氣がしてる。

それはたぶん──
仕事がなくなってから始めた「ジャーナリング」っていう小さな習慣が
そんな “外側への感謝” につながってるんだと、思う。

先ほどと同じ眼鏡をかけた中年の日本人男性が、湯気の立つカップを傍らに置き、静かにノートに書き物をしている。部屋は豊かな緑に囲まれ、差し込む陽光が、静かで思索的な雰囲気を醸し出している。
どんな自分でも、大丈夫。整えようとせず、そのままをゆるせたら、少しずつ、ほんまの「自分」が見えてくる。

起こった出来事を他人のせいにしない。
でも、自分を責めるのも、もうやめる。

「リベンジしたい」って思ったら、
まずはその氣持ちごと、そっと手放してみる。

「まぁ…ええやん」ってふぅ~っと深く息を吐く。
そして、ゆるんで、笑ってみる。

とにかく、「くつろいだ」状態を、選ぶ。

ダラけるでも、怠けるでも、無力感でもなくて。
余計なチカラを抜いて、自分に戻る。

自分でどうにもならんことには、無理しない。

その代わり、
「本当にやりたいこと」を見つけて、淡々と向かう。
本当の自分自身と仲良くする。
つまり、過去に対する感情と、和解する。

それが、僕にとっては、
“本当のリベンジ”だったんやと、氣づいた。

今、どんな状況でも、
ひと息つける「くつろぎ時間」は、ある。必ず。

あとは、その時間を少しずつ増やすだけ。
リベンジじゃない。諦めでもない。

もしこれ読んでくれるあなたが今の僕のような無職だったり
将来の具体的なことが見えづらくなっていたら

自分の本当の声、ぜひ聴いてあげてください。
それが、過去のあなた自身へのリベンジ…つまり
「ホンマの自分」の始まりかもしれへんから。

(次回へ続く)

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オンライン喫茶「くつろぎ」は、昔ながらの喫茶店をイメージしたオンラインカフェ。話すだけで心がほぐれる、“40代からのモヤモヤ”に寄り添うマンツーマンのお話スペース。元ラジオDJのマスターが静かにお迎えします。