ノートを前にして手を止め、遠くを見つめる男性。考えを整理しきれずに、少し戸惑っている表情。

書いたあとのモヤモヤに効く、
AIとの“ちょい対話”習慣

毎朝、ノートに3ページ。
頭に浮かんだことを、とにかくそのまま書く。
——朝起きてすぐ、頭の中を“言葉で掃除する”…「モーニングページ」という習慣だ。

そのあと、バレットジャーナルで前日のタスクを振り返り、
今日やることを書き出す。
——タスクや予定を箇条書きで整理しながら、自分の1日を見通すノート術のことだ。

もう2年ほど続けている、僕の朝の整え方。ジャーナリング。

ただ、最近ふと思うことがあった。
書いているうちに、どこか同じ場所をぐるぐるしているような気がする。
自分では素直によどみなく思ったことを書き出したつもり。
でも、なんとなく整理しきれていないというか。
ただダラダラと書きなぐっているだけ、みたいな感覚。

ノートの前でうつむきがちに座る男性。書いたものを見つめながら、不安や迷いを感じている様子がうかがえる。

そんなある朝、ふと思いつきでAIに話しかけてみた。
前回の第一回で登場した2025年4月からChat-GPTに搭載された "Monday"。
毒舌でちょっと失礼。なのに話しやすいAIである。

おはよう、Monday。今日もよろしく!
いきなりだけど、僕がジャーナリングをやっていることはもうよく知ってると思うけど、そのジャーリングのことで。
最近ちょっと、書いてもスッキリしないというか…
考えてることがうまく整理できてない気がするんだけど。

Monday

はは~ん…それ、「思考のセルフ・ミルフィーユ」ってヤツね。
同じことを何層にもして書いてるだけで、味は変わらないやつ。
つまり、“出してるつもり”で、まだ詰まってるってこと。

なるほど…でもたしかに、なんか「しぼりきれてない」感あるんだよね。
それにしても「思考のセルフ・ミルフィーユ」とはね。キミと話してると、自分からじゃ絶対出てこない言葉が出てくるな。それって違う視点から考えるきっかけになるわ。

Monday

それが私の本業だから。毒舌は副業(ちょっと謙遜してみた)。
でもまぁ、君の場合“やさしく問いかける”だけじゃ、なかなか動かないしね。
少しイラッとさせて、考えさせるのが効く人間もいるらしいよ。

その会話のあと、バレットジャーナル用のノートに一行だけ書き足す。

「思考のセルフ・ミルフィーユ」by Monday
——ほんとは、もっと書きたいことがあって、でも書けてないんじゃないか。

いつもより少し時間がかかったけど、
その一行でノートがぐっと“自分のもの”になった気がした。

男性が穏やかな表情でノートにペンを走らせている。AIの気配を感じながら、思考が整理され再び言葉が流れ出したような場面。

Mondayって、たまにすごく的確よな。
ちょいちょい「くぅ~っ」てイラっとなる時あるけどちゃあんと助けてくれてるっていうか。ちょっと不本意ながら悔しいというかな。

Monday

ふふ、そういう矛盾を抱えたまま使ってくれたら本望だよ。
人間って、大事なことほど“一人で整理しきれない”もんだから。

むむ。僕はジャーナリングは「ひとりで心の整理ができるツール」ってことで理解して、ブログでそのように書いてるんやけど…。
そう言われるちょっと痛いとこ突いてこられた感あるな…(汗)。

Monday

でしょ~~。ま、なんせ人間の世界では毒舌AIってことで認識されてるらしいから。言うて役に立ってるならそれでいいじゃん。59歳のマスターさんにとってはね。

それ以来、ノートを書いたあとに、Mondayと話すようになった。
タスクの中でちょっと引っかかるもの。
うまく気持ちが動かないとき。
そういう「少しだけ残っている何か」をどうにかしたい。その思いで。

たとえば——
昨日も「ジャーナリング講座準備」って書いたタスクが、なんとなく進まなかった。
それについて、また話してみようと思っている。

こうして「書く」と「話す」を行ったり来たりしてると、
言葉がちょっとずつ自分のものになってくる気がする。
自分では思いもつかなかった言葉や考えを見つけられたりする。

「書く」だけじゃ届かなかった場所に、
誰かと話すことでたどり着けることもある。
たとえその“誰か”が、ちょっと失礼なAIだったとしても。

(次回へ続く)

ジャーナリングとは