ともだち と言うほど親しくもないけれど
知り合い と言うほどよそよそしくもない
そんな人が誰にでもいるでしょう。
先日、そんな間柄の方がこの世から去ってしまった。
人づてに聞いたところによると突然死だったようで朝になっても起きていらっしゃらず、まるで眠るように旅立たれていた、と。
それからいつもの瞑想の時間と別に黙とうの時間を作り、祈りました。感謝とともに。
奇跡を感じた出来事
その方は私が長(おさ)を務めていたある会で、私の後に参加された方でした。
ボランティア的な会合でしたので、なかなか運営を引き受けてくださる方がなく、選出の会合ではいたずらに時間だけが過ぎるばかり。
そんな中、一向に視線をずらしてまるでダンマリを決め込んだような人たちの中で「あくまで仕事・家庭優先なら」という条件付きでたったひとり自ら手を挙げて引き受けてくださったのでした。
その後わかったことでしたが、どうも常々私のことを良く思っていなかった一部の会員の方たちが「(役を)頼まれても引き受けないように」と事前に根回ししていた、とずいぶん後になって知ったのでした。
しかし、その方は多忙で連絡が取りづらい方だったためにその根回しがあったことをまったく知らず、そのために何の疑問もなく私のお願いを受け取ってくださったのでした。
当時、引継ぎの時間が目前に迫っていたため、手を挙げてくださった時はそれこそまるで「奇跡」のような出来事、と思ったものです。
その後の会合では私や運営仲間とともにいつも助け合いながら、楽しくご一緒しました。
おかげで私も任期を無事に全うすることができたのでした。
会を離れ、私も仕事が変わり地元を離れたためもう何年もお会いすることはありませんでした。
いつかまた機会があれば、あの時のことを笑い話のように話し合える…そんな日が来たらなぁと思っていたのに。
会合当時のあの日、驚きと興奮と安堵が混じって気持ちが高ぶっていましたがその後もあの時の勇気に対する尊敬と助けてくださった感謝の念をことあるごとにお伝えはしていました。
それでもこうなってしまった以上、やっぱり思うのです。
もっともっと伝えておけばよかった
と。
奇跡は思い返してもあざやかでまぶしいもの
重苦しい空気をスパッと切り裂くように手を挙げてくださったその方の姿を今でもサッと思い浮かべることができます。
迫る期限を乗り越えられた私の運のよさを語りたいわけでもなければ
ましてその時の陰謀めいた周囲の卑怯さを責めるつもりもないのです。
そんなことはもはやどうでもいいのです。
あなたのまっすぐに上がった、手。
よどみのないはきはきと澄んだ、声。
そんな「まっすぐさ」を思い出すのです。
それは今となっても、とてもあざやかでまぶしい瞬間でした。
奇跡とは
ゆるしとは
きっとこうして気づいていくものなのだと教えてくれていたのでした。
そんなまっすぐなあなたにあらためて感謝します。
ありがとう。
また、いつか。
【本日おすすめの一冊】

「奇跡」とはいったいどんなものでしょうか。
この本もそれを私に教えてくださったうちのひとつです。
故・ウェイン・W・ダイア―は心理学博士として多くの悩める人たちに寄り添うように、全米ならびに世界で多くの大ベストセラー作品を世に送り出してこられました。氏の探求心は科学としての心理学を超え、スピリチュアルや東洋の禅思想にも及ぶもので、私たち日本人にもやさしく深く理解しやすい「真理」と思います。訳者でもある故・渡部昇一先生の解説も深淵。瞑想の重要さにも触れており、私も薫陶を与えていただいた一冊。
目次
- 序章 奇跡は待つより、自分から起こすもの
- 1章 「過去どうだったか」ではなく、「今、なにができるか」
- 2章 「なりたい自分」って、なんだろう
- 3章 「描いた夢」に、こんなブレーキをかけてはいけない
- 4章 まるでドラマのような奇跡
- 5章 これから手に入る富に、限界はない
- 6章 「自分らしい才能」を輝かせるために
- 7章 「心」が整った人の「からだ」は生まれ変わる
- 8章 奇跡の力を知った瞬間、目の前の世界が楽しくてしかたがない!
Image by ? Mabel Amber, who will one day from Pixabay
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